冥土ノ土産ニ音楽ヲ80's

松任谷由実
「昨晩お会いしましょう」

東芝EMI 1985

時代、場所とともに

松任谷由実はいつ聴いてもフラットで落ち着きます。
バラードでもアップテンポでもミドルテンポでもどこか淡々とした抑揚のないフラットな歌声を聴くと松任谷由実でしかない音楽がそこに広がります。
フラットで独自な雰囲気を聴かせるといえばSADEなんかもそうかもしれない。
昔はそういう音楽がとても大人っぽく感じたものです。
空気のような音楽というのか、空間にあってもじゃまにならず、気づいたら耳に染みこむような感覚は母親が子供に聴かせる子守歌のような感覚でしょうか。
松任谷由実の歌声を聴くとそんなイメージを持ってしまいます。
そのせいか、いろいろな場面で松任谷由実を耳にすることが多く、いつの間にかその「場所」、その「時代」と音楽が見事にリンクしている感覚があります。
このアルバムはそんな「時代」と「場所」をリンクさせる内容が散りばめられています。(このアルバムに限ったことではないですが)
そんな中で僕が好きな曲は8曲目「グレイス・スリックの肖像」と最後の曲「A HAPPY NEW YEAR」です。
「グレイス・スリックの肖像」は17枚目のシングル「守ってあげたい」のB面に入れられていた曲。
松任谷由実らしい悲しげで切ないメロディーが過去を振り返る詩の内容とともに胸にしみます。「アンプに火を入れて」が印象的。
「A HAPPY NEW YEAR」は映画「私をスキーに連れてって」の中で使われていて、その映像とともに、これもまたしみじみとした想いに浸れるホントいい曲。
しんしんと降る雪に合わせて恋人を想うやさしい気持ちがピアノの静かで切なげな旋律にのせて歌われます。
「今年も最初に合う人が、あなたであるように」
「今年も沢山いいことが、あなたにあるように」
いつ聴いても年末の厳かで静かな雪の風景が広がります。

余談ですがアルバムジャケットのデザインはピンクフロイドやツェッペリンなど数多くのアルバムアートを手がけたデザイン集団「ヒプノシス」。
ヒプノシスの手がけたジャケットは大好きで、それが目的で買ったアルバムもいくつかあります。
どういういきさつでジャケットデザインを頼むことになったのだろう?

Reference

Videos

手のひらの東京タワー

グレイス・スリックの肖像

A HAPPY NEW YEAR(映画「私をスキーに連れてって」より)

A HAPPY NEW YEAR

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Links

松任谷由実「昨晩お会いしましょう」
  1. タワー・サイド・メモリー
  2. 街角のペシミスト
  3. ビュッフェにて
  4. 夕闇をひとり
  5. 守ってあげたい
  6. カンナ8号線
  7. 手のひらの東京タワー
  8. グレイス・スリックの肖像
  9. グループ
  10. A HAPPY NEW YEAR
Label
東芝EMI
Catalog#
CA32-1138
Format
CD, Album
Country
Japan
Released
1985
Genre
Pop
Style
J-Pop

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