冥土ノ土産ニ音楽ヲ80's

レベッカ「REBECCA IV〜Maybe Tomorrow」

Fitzbeat 1985

80年代バンドブームの象徴的作品

ニッポンの80年代リスナー世代のなつかし必須アイテム。
青春がこのバンドとリンクしている人は多いでしょう。
85年にリリースされたレベッカ4枚目の大ヒットアルバム。
アルバムに先がけて発売された4枚目のシングル「フレンズ」が大ヒット、アルバムは初のオリコン1位を獲得し、その後ロングランで売れ続けミリオンセラーを記録。
当時あまりTVにあまり出ないロックバンドのアルバムがこれだけ売れるのは珍しかったように思います。

このアルバムが出る前からそのライブパフォーマンスが話題になっていたレベッカだったが、音楽的方向性の違いから、リーダーでギターの木暮武彦とドラムスの小沼達也が脱退。(彼らはその後Red Warriorsを結成する)
その後Keyの土橋安騎夫がリーダーとなってVoのNOKKOを前面に押し出したポップな路線に変更。
土橋安騎夫の作るハイテンポでノリがいいけど時に切ないメロディにNOKKOのヌケの良い力強い歌声とその魅力が重なって、多くの人に受け入れられるサウンドとなり異例の大ヒットを生むことになります。
このアルバムは土橋安騎夫のサウンドメーカーとしての能力がいかんなく発揮され、大成功を収めました。
すばらしいサウンドメイキングと勢いとが絶妙に組み合わさったレベッカサウンドの金字塔。
アルバムに先駆けて発売されたシングルの「フレンズ」はもはや説明不要の国民的ヒットソング。ドラマに使われ、瞬く間にヒットしたのを覚えています。

僕は中学生だった当時、友人からこのアナログLPを借り、テープに録音して聴いていました。
アルバム全曲を通してシンプルで重厚なドラムパターンの音が好きでした。
一見単純なようだけど、楽曲の良さとNOKKOの活きのいい伸びやかなVoを活かすにはうってつけだと思います。
アルバム自体は全曲捨て曲なしのさながらベスト盤クオリティ。
1曲目の「ホット・スパイス」ではギターのリフを使ったシンプルかつ大胆な導入を見せ、アナログLPでいうA面の最後、5の「光と影の誘惑 」では太いベース音による旋律が印象的なインスト曲でしめます。
ハードな「ボトムライン」でB面が始まり、最後は切なく美しいバラードで終わり。
一枚のアルバム作品としても、とても良くできた構成で作られていると思います。
僕が特に好きなのは3曲目「コットン・タイム」や9曲目「ロンドン・ボーイ」など。
ちょっと切ない感じの甘いメロディがたまりません。
この傾向は次のアルバム以降、さらに強まり、詞とともによりリリカルになっていき、曲もより洗練されたものになっていくのですが、このアルバムに聴かれるようなシンプルな力強いビートはなくなっていきます。
このアルバムは元気いっぱいのロックバンド少女だったレベッカが大人のアーティストに変容していく際のちょうど分岐点になっていて、これ以降、急に世間から注目され、急成長を余儀なくされてしまったレベッカの苦悩が作品に反映されていくことになります。

レベッカ「REBECCA IV〜Maybe Tomorrow」
  1. ホット・スパイス
  2. プライヴェート・ヒロイン
  3. コットン・タイム
  4. 76thスター
  5. 光と影の誘惑
  6. ボトムライン
  7. ガールズ・ブラボー!!
  8. フレンズ
  9. ロンドン・ボーイ
  10. メイビー・トゥモロウ
Label
Fitzbeat
Catalog#
32DH 288
Format
CD, Album
Country
Japan
Released
1985
Genre
Rock
Style
J-Pop

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