RCA 1985
警報のような印象的なイントロで始まる「Black/White」。
ギターリフとメリハリの効いたベース、サビのバックで使われるシンセ、どれをとってもセンスが光るクールで渋いナンバー。
間髪入れずに2「Uniform Of Youth 」は1曲目と同じ感じの曲で違和感なく自然に1曲目に続くこれまた渋いナンバー。
3「Don't Slow Down」はこのアルバムの中で一番POPかも。
シンセにのせて歌われるメロディは良くも悪くも80年代っぽい。
4「Run To Her」はラブバラード。
裏声を使ったサビで相手を想う気持ちを熱く表現。
寂寥感漂うがどこか暖かみのあるヴォーカル&メロディが◎。
アナログA面最後の曲5「Into My Own Hands」を経て、いよいよこのアルバムの真骨頂へ。
6〜8の3曲はいずれもシングルカットされたナンバーで、すべて全米ナンバー1!
6「Is It Love」は小気味よいリズムにシンセをのせた、さすがにベースとキーボードが中心のバンドだけあって、タイトで格好いい。
この曲を聴けばMr.ミスターを思い出す人が多いと思われる代表的なナンバー7「Kyrie」。
この曲を当時FMでよく聴きました。
日本においてはMr.ミスターの代表曲というだけでなく80年代を代表するナンバー。
8「Broken Wings」は今アルバムの中でも最高傑作。
浮遊感あるシンセをバックに歌われる雰囲気のある名曲。
リチャード・ペイジの熱のこもったヴォーカル、転調するシンセ、たまらなくいい。
ROCKの名曲として今後も聴かれ続けるであろう名曲。
一転して9「Tangent Tears」は馴染みやすい軽やかなリズムとメロディで最後のタイトル曲である10「Welcome To The Real World」へ。
歯切れの良いアップテンポな曲でポップな曲でこのアルバムを締めくくるところがアメリカのバンドっぽい。
TOTOのような実力派メンバーによるAOR路線のロックといってしまえばそれまでですが、そういった路線とはまた別の勢いやセンスのようなものがこのアルバムにはあります。
アルバムとしての完成度は高く、他にはない魅力がたくさん詰まっています。
一発屋的な扱いをされがちですが、それ故にこのアルバムに対する愛着も大きく、また当時のインパクトも大きかったように思います。