ポニーキャニオン 1984
1984年7月5日にリリースされたALFEEの8枚目のアルバム。
アルバム全体がコンセプチャルな作りになっていて、プログレっぽいアプローチが当時非常に斬新に感じました。(当時はプログレについて無知でしたが)
1曲1曲として聴くよりもひとつのアルバムとして聴く作品。
鐘の音、パイプオルガンの音で始まる導入が最高にいい。
それに続いて始まる1「孤独の美学」は疾走感のあるハードでメロディアスなナンバー。
間奏部分も凝っていてこのアルバムでのお気に入り。
この1曲がこのアルバムの全体のイメージを表現するのに相応しいイメージをよくあらわしていて、1曲目になるべくしてなったような曲。
同じように4「二人のSEASON」や5「星空のディスタンス」など、メロディアスでハードな疾走感のある曲が続き、A面を一気に聴かせます。
ちなみに、5「星空のディスタンス」はこのアルバムのコンセプチャルな音作りに合わせたのでしょう、ロングヴァージョンでの収録になっています。この編集によって無理のないA面〜B面へのは橋渡しになっています。
なぜそんなことが必要だったかのかというとB面の最初が「GATE OF HEAVEN」だからです。
アルフィーとしては当時最長の8分を超える大曲で、まさに和製プログレロックナンバーといえる名曲。
最もハードな7「鋼鉄の巨人」を経てラストの9、10で美しいメロディを聴かせてくれます。
10「永遠の詩」は1の導入と対のような感じで穏やかに幕を閉じます。
このアルバムは明らかに高見沢氏を中心に据えたハードロック的な路線ですが、その中にも桜井、坂崎両氏の要素が溶け込んでいて、ハードなんだけど歌謡曲にも聞こえるという、よく言われるアルフィーサウンドが確立された金字塔的なアルバムでもあるような気がします。
J-POPによくある寄せ集め的なアルバムとは一線を画す、ひとつの作品として聴けるアルバム。
ポニーキャニオンより紙ジャケHQCDで復刻されていますが、リマスタリングはされていません。