Jive 1984
原題は「Suddenly」だけど、当時の邦題は「カリビアン・クイーン」。
イギリスの一端のソウルシンガー、ソングライターだったビリー・オーシャンがアメリカ進出を成し遂げ大成功する要因となったアルバム。
このアルバム自体も大ヒットし、4曲のヒットシングルを出しました。
1曲目の「カリビアン・クイーン」が初の全米No.1(84年11月3日付)になったのを始め、5曲目「ラヴァーボーイ」が2位(85年2月23日付)、9曲目「サドゥンリー」が4位(同年6月8日付)、2曲目「ミステリー・レディー」が24位(同年8月31日付)(いずれも米ビルボード、国内盤ライナーノーツより抜粋)と怒濤の快進撃。
もともとソングライターとして定評のある人だっただけに収録曲はどれもいい曲ばかり。
また、それを支えるバックミュージシャン達もいい演奏でそれに応え、ビリー・オーシャンのテクニカルでいて暖かみのある声を十二分に引き出しています。
おもしろいのは、イギリスのミュージシャンであるビリー・オーシャンがこのアルバムで、アメリカのマイケルジャクソンの大ヒットアルバム「スリラー」をモロ意識してるんじゃないか?という音作りがされている点。
1曲目の「カリビアン・クイーン」はドラムとベース、シンセの使い方がまるで「ビリー・ジーン」だし、5曲目「ラヴァーボーイ」のサビは「今夜はBeat It!」そっくりでエレキギターの使うとこなんか意識しまくり…。ギターソロまでなんか…。
恐らくイギリスのブラックミュージシャンとして対抗したかったのでしょう。(ビートルズの名曲「The Long And Winding Road」をカヴァーするなんてまさにそんな意識の現れ?)
でも、そんな甲斐あってこのアルバムはアメリカで商業的にも大成功を収め、名実ともにビリー・オーシャンはトップスターの仲間入りを果たしたのでした。
9曲目の「サドゥンリー」はタイトル曲だけにこのアルバムのメインで、極上のバラード。
とってもいい曲!これだけでも聴いてほしい!
ちなみに僕がこのアルバムに出会ったのは中学生の時。
当時よく聴いていたNHK-FMの「サウンド・オブ・ポップス」という番組で、このアルバムをほぼ全部!?かけていて、それをテープに録って聴いていました。
よく考えたらものすごい番組で、最初のナレーションでミュージシャンやアルバムのかんたんな紹介をした後はLPレコード盤のA面くらいを一気にかけます。そして中にもう一度ナレーションを挟み、さらにB面を一気に。限られた時間内に収まるようたいてい何曲かはカットされるけど、ほぼアルバムまるまる聴けちゃうので、金のない中学生には格好の番組でした。ありがとう「サウンド・オブ・ポップス」、そしてもう一度復活を!(笑)
この番組でお世話になったアルバムはいっぱいありましたが、この頃のNHK-FMは深夜11時に「クロスオーバー・イレブン」という、これまた大好きな番組もあり、これはまた別の機会に…。