Midi Inc. 1987
大好きな映画のサントラ盤。
映画もかなり好きだがこのサントラもかなり好きです。
坂本龍一教授の「戦場のメリークリスマス」「子猫物語」に続くサウンド・トラック3作目。
「上野耕路」「窪田晴男」「野見祐二」らとチームを組んで制作にあたったとのことです。
映画では国籍不明でレトロフューチャー的な世界観が見事に表現されています。
人の名前、出てくる文字、文化、宗教、ファッション等々、お金の単位まで見事にどこの国?いつの時代?といった感じで、異世界の時空を超えた不思議な現実世界の中にあって、そこに流れる教授のプロデュースする音楽はイメージにぴったり。
いい映画はやはり音楽もいい。
特に映画の最後のクライマックスからエンディングにかけての曲のながれは絶品。
サントラでは14「OUT TO SPACE」から15「FADE」にあたる部分。
セリフのない音楽と映像だけの部分が結構長い時間続くのだが、思わず画面に見入ってしまうくらい美しいシーケンスが続き、エンディングへ。
そこで流れる「OUT TO SPACE」は絶品。
他にもCDには収録されてないいい曲、おもしろい曲が映画上にはいくつかでてきます。
主人公が暗殺されそうになるときの曲とか。
なのでこのCDだけでは少し物足りなさも感じます。
ちなみにTVのニュースのレポーターの声で徳光さんも出てます。
この映画の作画監督はエヴァンゲリオンで有名な庵野秀明氏で「やりたいことはすべてやりつくした」というようなことを確かどこかで言っていたのを聞いたことがありますが、確かにそのくらい映像も美しい。
内容がどうだとかストーリーがどうだとかいう評論以前に、この映画で描かれている世界、雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
美しい映像と音で作られた数少ない傑作のひとつだと思います。