東芝EMI 1986
日本の作詞家の大御所、松本隆が「花」をキーワードに「薬師丸ひろ子」というアーティストを通して制作したコンセプトアルバムといっていい傑作アルバム。
薬師丸ひろ子の通算3枚目。
豪華な作曲陣によって花にまつわる言葉、花の名を冠した曲が表現されています。
主な作曲者は中田喜直、筒美京平、細野晴臣、井上陽水など、蒼々たる面々。
中学校時代、このLPレコードを友人が持っていたので、借りてきてカセットテープに録音させてもらいました。
レコードに針を落とし、最初に聴こえてきた1曲目に思わず聴き入りました。
この曲がどういう曲か分かったのはもっと後になってですが、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章がこんなに日本っぽく…薬師丸ひろ子の透き通るヴォーカルともマッチして、こんなに雰囲気のいいアレンジになるとは。
この1曲目「花のささやき」と5曲目の「紅い花、青い花」が特に好きです。
「紅い花、青い花」は細野晴臣作曲で当時CMにも使われていたように記憶してますが、シンプルな曲で無駄がなく、それでいて雰囲気のあるメロディ。細野晴臣好きの僕にはたまらない、細野晴臣らしい極上のポップスで、お気に入りの1曲です。
井上陽水の曲が、これまたいいアクセントなっていたり、中田喜直の曲も適度にこのアルバムの中で調和してたりして、それぞれの楽曲のクオリティの高さとその曲に見事マッチした薬師丸ひろ子の魅力が存分に引き出されていて、プロデューサーとしての松本隆の力量がいかんなく発揮された作品だと思います。
ちなみに8曲目「紫の花火」は薬師丸ひろ子作曲作品となっています。