キャニオン・レコーズ 1986
単なるアイドルのアルバムとして簡単に片付けることのできない80'sアルバムのひとつ。
今聴いても実に雰囲気のある佳曲揃いです。
1曲目以外のすべての曲を武部聡志氏が担当しているからか、アルバム全体を通して統一感があり、完成度が高く、タイトルの「風夢」に合う爽やかな透明感のある心地よい感触の音に仕上がっていると思います。
斉藤由貴の語りかけるような優しいヴォーカルがこの音作りに実によく合います。
87年発表の4枚目のアルバムでオリコン1位を獲得、21.3万枚売れました。
これまでの作品同様、斉藤由貴の作詞作品も5曲入っており、彼女の作詞能力も決して侮る事なかれ、アイドルと言われていたとは思えない立派な仕事をしています。
「砂の城」「MAY」2曲のシングルヒット曲を含んでいるものの、それらもまったく違和感なく見事にアルバムにとけ込んでいます。
個人的に推したいのは、このアルバムのオープニングにふさわしい、どこか夢想的な雰囲気の1曲目「ONE」。ちなみに英詞。
そしてパイプオルガンの音が印象的で癒される12曲目「風・夢・天使」。
最後13曲目の「家族の食卓」では優しいアコースティックギターにのせて斉藤由貴の想いが綴られたほのぼのするいい曲。
このアルバム今聴くと良質なヒーリングミュージックに聞こえるかも。
しあわせなんてほんとは
ありきたりさ つづくよ
つづくよ