Non-Standard 1984
そもそものキッカケは、僕が中学の頃、大好きでよく聴いていた深夜11時からのNHK-FMの番組「クロスオーバーイレブン」で「NON-STANDARD MIXTURE」がかかり、それをエアチェック(FM放送をカセットテープ等に録音すること)して聴いていたことに始まります。
エアチェックといえば当時必ず購入して熟読していた雑誌が「FM STATION」。
先発の「FM fan」「週刊FM」「FMレコパル」と並んでFM情報誌黄金時代まっただ中でした。
その雑誌のFM番組表でかかった曲を事前、もしくはエアチェック後にチェック。じっとラジカセの前でお目当ての曲がかかるのを録音一時停止状態でひたすら待っていました。
今思えば、なんと涙ぐましい努力…。
そうしてお気に入りとなった「NON-STANDARD MIXTURE」。
どこかエイリアンっぽいコンピュータミュージックの音具合が心地いい。
「クロスオーバーイレブン」の大人な夜の雰囲気とこの曲の宇宙的なイメージが相重なって何とも言えない感じがしました。
しかし、当時の僕はまだ細野晴臣という人を全くと言っていいほど知らず、「FM STATION」で調べ、いち早く「貸しレコード店」へ向かいました。
そう、あの当時はちょうどLPからCDへ移行する最初期でした。
しかし、当時のCDプレイヤーはまだ高価でとても中学生の坊主が買えるシロモノではなく、その曲をFM以外のもっといい音で聴くには「貸しレコード店」でLPを借り、それをカセットテープに録音するのが常套手段でした。
しかし!
なぜか、借りてきたのはこの曲が入っていた「Making of NON-STANDARD MUSIC」というミニアルバムではなく、「S-F-X」でした。
理由は分かりません。
ジャケットのイメージが「NON-STANDARD MIXTURE」を感じさせたからか、ただ単に僕がいい加減だったからなのか、今となってはサッパリ分からず。
もちろん「NON-STANDARD MIXTURE」は入ってません。
それでもこのアルバムはとても気に入ってよく聴いていました。
アルバムの雰囲気や質感が「NON-STANDARD MIXTURE」と同じだったからだと思います。
それから10年ほど経ったある日、たまたまこのCDを見つけ、購入。
早速中身を聴いてみると…
入ってる。
「NON-STANDARD MIXTURE」が入ってる…。
「BODY SNATCHERS」が英語になってる…。あれ?もともと英語だったっけ?
記憶も曖昧で頭がゴチャゴチャになりました。
コトの詳細が明らかになるのは2008年発売の限定紙ジャケット仕様の「S-F-X」を見てから。
恥ずかしながら、それを見るまで僕が購入した10曲入りのCDがもともとの「S-F-X」だと思ってました。
僕が最初ハマった「NON-STANDARD MIXTURE」は4曲入りのミニアルバム「Making of NON-STANDARD MUSIC」でリリースされていました。
その後、今回の「S-F-X」のCDにまるまる加えられ、さらに、もともと日本語歌詞だった「BODY SNATCHERS」を英語歌詞のリミックスヴァージョンに置き換えられ収録されていたのです。
そして2008年めでたく原盤通りの「S-F-X」が紙ジャケットで復刻。
ヤヤこしい…。
ということで今回ここにあげたこの2枚で僕の4半世紀におよんで翻弄され続けた?謎が解決されることになりました。
というワケで、Non-Standardレーベルを立ち上げたばかりのこの時期の細野さんを聴くにはこの2枚を必ず購入しましょう(笑)「3・6・9」オススメ。
S-F-X(紙ジャケット仕様)Limited Edition, SHM-CD 【テイチクエンタテインメント 2008】